
私たちミズノは、末續慎吾、寺川綾といった社員選手、森島寛晃氏など各競技の契約選手の協力を得て、全国各地で実技指導、講習会、サイン会などを行なう「ミズノビクトリークリニック」を毎年およそ500回実施しています。この取り組みはどのような目的からはじまったのか、またどのような成果につながっているのかなどについてご紹介いたします。

スポーツプロモーション部 アスリートマネジメント室室長 中村 哲郎
2009年に設立したアスリートマネジメント室の室長として、ミズノビクトリークリニックの企画・運営に携わる。自身もかつては陸上競技に打ち込んでいた中学生の頃、有名選手に教えて頂いて感激。その気持ちを、イベントに生かす。
トップアスリートを起用したスポーツ教室などはミズノ以外にも多くのメーカーで催されていると思いますが、私たちはこの活動を一過性のイベントで終わらせないように組織化して運営しており、現在は18競技まで総合的に行える体制を作り、毎年約500回のクリニックを継続的に実施しています。ここが、私たちの取り組みの独自性といえるでしょう。またこうした運営が継続して行えるのは、長い歴史の中で、さまざまなスポーツ選手やスポーツ関係者の方々に支えられているミズノならではだと、私自身は感じています。
ミズノビクトリークリニックという取り組みは、2006年のミズノ創業100周年記念スポーツ・シンポジウムの中で行った「次世代に向けたスポーツ提言」に端を発しています。これはミズノがすべての子どもたちにスポーツの場や機会を提供し、彼らの成長を見守ることなどを未来に向かって約束したもので、その一環として初回は東京ドームで、野球、サッカー、陸上、バレーボール、テニス、ゴルフ、柔道の7つの競技のクリニックを実施しました。野球には松井秀喜選手、テニスには松岡修造プロ、ゴルフには岡本綾子プロ、陸上には室伏広治部員、末續慎吾部員など、契約選手やミズノ社員選手などが講師をつとめ、集まった子どもたちは大興奮。イベントは大いに盛り上がりました。その後「この取り組みをぜひ続けてほしい」という声を全国のスポーツファンやお得意先様から頂戴し、日本全国のお得意先様と連携しながら現在まで途絶えることなく実施してきました。
この活動を通して私たちは、子どもたちにスポーツの楽しさを伝え、向上心の芽を育んでいきたいと考えていますが、その趣旨がどれだけ実現できているかについては、会場に集まった子どもたちの様子を見れば、一目瞭然ではないでしょうか。どの子どもたちも憧れの選手を前にして、少し緊張している様子はありますが、実にいい笑顔でプレーしています。講師の指示はよく聞いて、勝手な行動をすることもありません。また参加者には胸に自分の名前を書いたワッペンを貼るようにしてもらっていますから、講師から名前で呼んでもらえることも。「○○くん、うまいな」とでもほめられれば、それはきっと彼らにとって、一生の宝物になることでしょう。一方、選手たちの方も子どもたちから教えられることがたくさんあると聞いています。また例えば、陸上のクリニックで末續慎吾部員が「最後にリレーやろうか!」と呼び掛けて、子どもたちがワッと盛り上がったことがありました。私はこうした選手と子どもたちの一体感こそが、教える側、教わる側相方にとって非常に良い相乗効果を生むと思っています。
ミズノビクトリークリニックは、競技種目によっては子どもだけでなく、マスターズ層まで、さまざまな年代の方々に参加いただけるプログラムとなっています。本気で競技に取り組んでいる高校生には、いまよりうまく、もっと強くなるための実践的なコツを伝えてあげたいと思いますし、マスターズ層の方には、生涯スポーツを無理なく続けられるポイントなども知ってほしいと考えています。私たちも講師と話し合いながら、各年代に合わせた細やかなケアができるようにと配慮しています。
このような活動を通して、少しでも子どもたちが未来に夢を持つお手伝いができたり、彼らの心身の健康的な成長を支えることができたり、あるいはあらゆる年代の方が生き甲斐をもって楽しく毎日を過ごすために役立つことができれば、それはスポーツメーカーであるミズノならではの一つの理想的な社会貢献の形でしょう。私たちはそのようなミズノビクトリークリニックを、ますます充実させていきたいと思います。そして今後は、ただ楽しいとか、勉強になったとかだけではなく、競技の技量向上とともに、人格形成の過程において少しでもお役に立てればと考えています。
また、講師から子どもたちに環境問題について語ってもらうこともはじめています。
この活動は、ミズノだけの力で実現しているものではなく、講師を引き受けてくださる選手の皆さんや、多くの関係者のご協力によって成り立っています。私たちのこの活動にご理解頂ける方々が増え、「私も手伝いたい」「一緒にやりたい」という声が上がって、どんどんミズノビクトリークリニックの輪が大きく広がっていってほしい。そんなふうに願っています。
ミズノの指定管理者施設である大阪の舞洲スポーツアイランドにて、「ミズノキッズドリームサポートプロジェクト2010 in 大阪」を開催しました。当日は約600人の小学生が参加。野球、サッカー、ソフトテニス、陸上、バスケットボール、バレーボールの6競技で、トップアスリートから指導を受けました。野球では高木豊さん、陸上では末續慎吾部員、などが指導を行ないました。
ミズノビクトリークリニック キッズサポートプロジェクト2010 in 大阪
写真中央:高木豊さんの野球クリニック、写真右:末續慎吾部員の陸上クリニック
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森島寛晃さんは、ミズノビクトリークリニックの講師を務めてくださっている一人。つねに、子どもの目線で語りかける熱のこもった指導は、子どもたちのみならず、保護者の方々にも支持されています。
僕も子どもの頃、当時日本代表だった木村和司さんと一緒に練習できて、すごくうれしかった思い出があるんですよ。それをきっかけに、ますますサッカーが好きになりました。自分もそんな木村さんみたいな存在になれたらいいなあと思いながら、いまミズノビクトリークリニックに参加しています。参加した子どもたちには、まずは何よりサッカーを楽しんでほしいですね。僕がよくいうのは、最初はできなくて当たり前だから、ミスを怖がらないで思い切ってプレーしていこうということ。どんな人でも挑戦してミスして、それで成長できるものだし、少年時代には、その時点の上手下手よりも、気持ちの強さの方が大事。夢の実現を信じて、自分からやっていこうという姿勢が必要なんです。そしてもう一つ、僕が子どもたちにぜひ伝えていきたいのは、つねに全力で臨んで、全力を出し切れ! ってこと。たとえその結果がダメでも、精一杯やったのなら胸を張れる。いつでも胸を張れるほどの全力プレーをしろよって、実は僕も昔、先輩から教わったんです。これはいまでも心に残っている大切なメッセージですね。そんなメッセージを彼らの胸に残してあげたいと思いながら活動に取り組んでいます。
HIROAKI MORISHIMA
1972年広島県生まれ。小学校2年生から大河FCでサッカーをはじめる。前身のヤンマーディーゼル時代からセレッソ大阪一筋に歩み、J1リーグ通算94得点。フランスW杯、日韓W杯出場。日本代表では国際Aマッチ64試合、12得点。2008年10月に引退表明。現在、セレッソ大阪アンバサダー。サッカーの普及にも力を注ぐ。
